東海道線の着席保証通勤列車として平日に毎日運行されている”湘南ライナー”と”おはようライナー新宿/ホームライナー小田原”。
185系での運行が開始されてからかなりの年月が経ちましたが、それも2021年の春で終りを迎えることになりました。きっと最終運行に近づくに連れて葬式連中も増えてくるはず。そうなる前の平穏な日常の様子を残しておくべく録音に向かいました。
湘南ライナーの主力は185系なのですが、それに混じって運行されているのがこの215系電車です。 オール二階建て10両編成の収容能力は素晴らしいもので、全部で1080席ある座席を有効に活用し、登場当初は湘南ライナー系統で定期運用のほか、昼間の東海道線快速列車アクティーでも運用されるなど、現在のニートレインと言われる状態とは程遠い活躍ぶりだったのです。故に当時は利用客から根強い人気を誇る車種でした。また、行楽シーズンには臨時列車として中央線方面に入線することもあります。
しかし、乗降に時間がかかることなどから、快速アクティー運用からは撤退し、僅かな期間ながら湘南新宿ライン黎明期の新宿-横須賀間の普通運用からも外れ、2021春のライナー運用廃止でついに定期運用を持たなくなってしまうことから、今後の動向が非常に注目されているのです。
行楽列車を録音するのは至難の業だよな・・・
どうせなら東海道線を走る様子、215系にとって通いなれた道を通る様を記録しておきたい・・・
その願望はなんとか叶えることが出来ましたので、皆様にご紹介しようと思います。
1.東海道線 3735M 湘南ライナー15号 クモハ215-103(録音日:2020年11月17日)
東京駅を22時30分に発車するライナーです。
時間的には飲み会帰りの帰宅ラッシュピークを過ぎた頃なので、まあまあな環境で録音できればいいかなと思っていたのですが・・・蓋を開けてみると乗車車両には私を含めて4名しかおりません。
例のアレの関係で送風は入っていましたが、それを抜きにしてもこれは最高の録音環境だったので、大船以西でもこのまま行ってくれと願いながら、湘南ライナーの奥義でもある”横浜駅通過”を体験しておりました。
大船駅の停車位置がまた絶妙な場所で、改札口から入ったところの階段すぐ脇なのですが・・・なんとかクリア。
藤沢でもベンチの真ん前に止まるのでヒヤヒヤしていると、リーマンが談笑しているではありませんか・・・
終わったかなと思ったのですが、どうも上り電車待ちだったようでこれもクリア。ここまで来ると何ももう怖くありません。そのままの最高の環境で小田原まで駆け抜けてくれました。
(個人的な印象)
とても透き通った心地よいモーター音を奏でてくれます・・・
2.東海道貨物・横須賀線 3726M 湘南ライナー6号 クモハ215-4(録音日:2020年11月18日)
湘南ライナーのうち、6号と8号は朝の東京駅容量問題から、地上の東海道線ホームではなく横須賀総武地下ホームに到着する特殊な列車となっています。その特殊な模様をぜひ記録しておきたいと考え、発車一時間前に小田原駅へ入り、ライナー券を購入して乗車位置でひたすら待っておりました。
この日は発車前に真鶴~根府川間で線路安全確認を行ったため、上り普通列車に遅れが発生していました。そのため、この列車も遅れている普通列車を先に発車させてからの小田原発だったのでした。小田原駅を6分ほど遅れて発車した列車は、ポイントをゴトゴトと渡っていったと思うと早速東海道貨物線へ入ります。
この遅れをなんとしても回復させるぞと言わんばかりの力強い モーター音が床下から聴こえてきます。恐らく一部区間では最高速度の120km/hまで出していたのではないでしょうか・・・
途中で貨物列車を待たせて抜かし、茅ヶ崎を4分遅れで発車すると、また力強く走る215系。
藤沢駅を3分遅れで発車したら、いよいよ次の品川まで行く手を阻むものは何もありません。
大体の優等列車が停まる武蔵小杉駅も華麗に通過し、武蔵小杉-西大井間も最高速度まで上げて突っ走っていきます!
(武蔵小杉駅あたりから、巡回車掌氏が乗務員室に入り、本務車掌氏と会話をしている様子を拾っています)
そのおかげで品川駅には定刻通りの到着し、いよいよ東京トンネルへ入っていきます。
横須賀線経由の湘南ライナーは新橋駅にも停車し、大勢の通勤客を降ろすと、いよいよ東京駅へ到着。
この希少性故に、間違いなくマニアが今後集るであろうと思いますので、静かに記録を残したい方は今のうちに行かれる事をおすすめします。
(個人的な印象)
低音が効いた力強いモーター音を奏でてくれます・・・